介護職のアイディアが光る便利グッズは「現場ならでは」の視点から

介護にまつわるお役立ちグッズ事典

現場のアイディアから生まれた便利グッズ

現在では介護の仕事に役立つ様々な便利グッズが登場していますが、現場ならではの視点でオリジナルの便利グッズを考案している施設もあります。ここではその一例として、岡山県のある施設で働く介護福祉士の報告を紹介します。利用者のためを思うからこそのアイディアは、他の施設でも参考にできるポイントがあるはずです。

現場のアイディアから生まれた便利グッズ

胃ろう部分を守る「ちょこっと腹巻」

当時99歳のAさんのために考案されたこの便利グッズは、胃ろう部分のみをカバーする腹巻です。麻痺があるものの右手は動かせる状態であったため、よく胃ろうボタンを触ってしまいただれたり出血してしまうことがあったそうです。認知症もあったため、手袋を着けたりバスタオルを巻いたり、他のもので気を紛らわしてもらうよう工夫しましたが効果が出なかったとのことです。
そこでこの「ちょこっと腹巻」を考案し使ってみたところ、胃ろう部分に触れようとしても直接触れることが無いため、出血してしまうような問題が回避できたそうです。

肌に優しい「腕&足カバー」

Bさんは100歳を超えており、寝たきりの状態でした。移動の際など様々な場面で介護職の介助が必要ですが、皮膚が弱いため少しの摩擦であっても皮膚剥離を起こしてしまうことが悩みだったそうです。レッグウォーマーもナイロン布だと擦れた部分がただれてしまい、タオルや毛布も問題解決にはつながらなかったので、もっと優しい材質のものを考えよう、ということになったようです。
考案された「腕&足カバー」は肌に優しいキルティング素材を使用し、簡単に着脱できるようにマジックテープが付いています。服の上から装着できるので手間もかからず、誤って皮膚を傷付けてしまうことも無いので安心です。また、視覚的にも「守っている」ことが分かりやすいので、他の介護職にも注意を促すことができるという予想外のメリットもあったようです。

手を握りしめてしまう人へ「にぎにぎ」

80代のCさんは手のひらに皮膚疾患がありました。手足の拘縮が強いために指を握りしめた状態になってしまうためです。初めは乾燥させたティーバッグを握ってもらうことで皮膚疾患と悪臭を改善しようと試みましたが、使用頻度が高いため効果があってもすぐにバッグが足りなくなってしまうことが問題でした。
そこで考案されたのが「にぎにぎ」です。網状の小袋の中に小さく切ったストローを入れて、ソフトガーゼで巻いたものです。通気性が良く、洗って何度も繰り返し使うことができるため、Cさんの皮膚疾患の改善に役立つと共に介護職の悩みも解消されました。市販のものもありますが安価ではないため、1個40円程度で作ることができる「にぎにぎ」はコストパフォーマンスにも優れていると言えます。

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現場のアイディアから生まれた便利グッズ

ある介護施設の職員が考案した便利グッズを紹介します。現場で直接利用者と触れ合っているからこその視点で、個々に合った介護を実践しようという思いが見えてくるものばかりです。購入するよりコスト面でもメリットがあります。