介護に身近な物を役立てる工夫

介護にまつわるお役立ちグッズ事典

身近な道具も発想次第で便利グッズに

元々は他の用途で販売されているものも、発想次第で便利グッズになります。ここでは入浴と食事の場面で役立つグッズと活用方法を紹介します。施設での介護にも自宅での介護にも利用できますので、ぜひ参考にしてみてください。スムーズに進めるための工夫は、介護される側だけではなくする側の負担軽減にもつながります。

身近な道具も発想次第で便利グッズに

入浴に関する工夫

体調などの理由で入浴することが難しい場合は、代わりに身体を拭くことで対応する場合が多いと思います。しかし工夫をすれば、ベッドの上で身体を洗い流すこともできます。
ここで活躍するのは吸水性が高い「おむつ」です。吸水後に水気が表面に戻ってくることもなく、使用後は簡単に片付けることができます。洗い流したい部分の下におむつを敷いてお湯を流す、という方法なので気軽に実践できそうです。夜用のものを重ねて使えば、髪を洗う事もできます。
ベッドのすぐ側にシャワーがある環境は少ないと思いますが、ペットボトルでも代用できます。蓋に小さな穴を複数あけたり、じょうろキャップを取り付ければ、シャワー上にお湯を出すことが可能です。専用のシャワーボトルでなくても、身体を拭くだけよりも気持ちの良いケアができます。
また、足湯は清潔の面だけでなく代謝を上げたりリラックスの効果もあるため、介護の現場ではよく行われていますが、難しい側面もあります。大きな容器にお湯を溜めて運ぶのも、温度を一定に保つのも簡単ではありません。そのような時には、蒸しタオルが有効です。足先を蒸しタオルで包み、ビニール袋やシャワーキャップなどで覆い輪ゴムでとめます。保温効果を保つことができ、足湯と同様の効果が得られます。

食事に関する工夫

麻痺の症状がある人や、手が動かしづらい人に快適に食事をしてもらうためにも身近なグッズが役立ちます。100円ショップなどで手に入るすべり止めマットをちょうど良い大きさにカットして、ランチョンマットにしましょう。お皿を置いたまま食事をしていると自分とは反対の方向へすべっていってしまいますが、すべり止めマットを利用すればしっかりお皿を固定してくれるので安心です。機能性だけでなく、豊かな食事時間を提供するためには見た目にも気を配ってみましょう。ピンクやオレンジなどの暖色を選べば食欲も増進されます。
お皿に角度を付けておくのも効果的です。すべり止めマットをもう1つ用意し丸めて利用したり、タオルなどを代用したりして、お皿の遠いほうの下に入れて角度を付けましょう。お皿を持てないと、食事が少なくなった時に最後まですくうことができません。自分の意に反して食事を残してしまっては、気持ちの良い食事時間とは言えないでしょう。特に高齢者は食事を残す事に抵抗がある人も多いため、最後まで食べ切れるような工夫をしましょう。

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